才能をドブに捨てないで
ありがたいことに、仕事の依頼があった。セールスレターの作成依頼だ。
彼には昔からお世話になっているし、ちょうどお金に困っているため、快諾した。ただ、少し困っている。扱う商品が平凡なのだ。しかも、世の中には、彼の扱う商品の他に、優れた商品がたくさんある。
この場合、魅力的なコンセプトを作成するしか解決策がない。
商品を売るのではなく、その商品のベネフィットを売るのだ。そして、そのベネフィットを抽象化し、直感的に理解できるようにしたものが、コンセプトである。
「駅前留学のNOVA」
「1000曲をポケットに」
「吸引力の落ちないただ1つの掃除機」
これらのように、売れる商品には必ず魅力的なコンセプトが備わっている。これらに劣らないようなコンセプトを作らなければならないのだ。
ちなみに、コンセプトを作るのは大変である。コンセプトは、シンプルかつ理解し易いものなので、簡単に考えつくと思う人が多い。しかし、それは間違いだ。
ベネフィットを書き並べ、グループ化し、どうにかしてひねり出さなければならない。「つまりどういうことか?」「似たようなものに例えられないか?」「一瞬でベネフィットを理解できるようには?」こんなことを考えながら、うーんと唸る。
商品を売るのは、難しい。
だからセールスライターには価値がある。
よし、やるしかない。